2匹目のネズミ ― 元公務員の水面浮上 ―

[実録] 前向きに公務員を辞めるも炎上していく生活をゆるく記録します。

公務員になりたい人へ3

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回にわたり公務員になりたい人に向けて記事を書きました。

1

http://2nd-mouse.hatenablog.jp/entry/koumuin-naritai1

2

http://2nd-mouse.hatenablog.jp/entry/koumuin-naritai2

 

前回の記事で終わったつもりでしたが、やはり書いておきたいので最後にもう一つ。

「孤独感」について。

 

この世にはたくさんの職業があります。私のように放浪癖があり、外国に住んでみたり、職を転々とする人もいれば、大学を卒業して入った仕事をずっと続けていく人もいます。転職組の中にも所謂フリーランスタイプ、ある業界の中での経験や実績、そして何より培ってきた実力を持って活躍の場を変えていく人や、全く異業種へ移っていく人など様々です。

どの人生が一番だとか僕にはわかりません。ただ思う事は、誰しも自分の経験でしか職業を正しく捉える事はできないということ。うーん、まだ正確な表現ではないかもしれません。そもそもある仕事を「◯◯な仕事だ」と正しく定義すること自体が無意味であり、無理なことだと思います。しかし私も含め多くの人はテレビやネット、または生まれてから今までにいた周りの人間から聞いた情報を元に「◯◯はこんな仕事で、それに携わる人はこんな人達だ」と思い込んでいます。それは情報を大雑把に整理して生きていくというとても自然なことだと思います。

当たり前のことを長々説明するのは私の悪い癖ですが、単刀直入に言うと、公務員という仕事はこの点でとても孤独を感じる仕事です。公務員は特にそうだと考えること自体が私の被害妄想かもしれませんが、この今の日本で「公務員」という単語は本当に負のパワーワードなんです。私の知らないハイソな方々は目もくれないかもしれませんが、やはり地方では嫉妬の対象なんだと驚くものです。

前の記事に書いた通り、ノルマや競争に負けたという理由でクビになったりしませんし、恵まれている部分は探せばあるでしょう。何よりも税金を使って仕事をしている点など、一般の人から監視されたり意見されるのは当然といえば当然です。しかしそれほど高いとは感じることのできない給与、年々増える業務量。時代錯誤な悪しき慣習。内部での不公平感。住民との緊張感のあるやりとり。こういった日常が続く中、ある日訪れるのです。

自分が大好きな友人、親、恋人。そういう人達ですらどこかで自分達を「そういう風」に見てるんだと知ってしまう瞬間が。それは決して面と向かって今の行政に意見するとか、民間人として、1人の人間としてある知見から何かを述べるとか、怒りを伴うとか、そういうものではありません。美しいほどにさり気なく、時に笑顔で、ゆっくり胸に突き刺さります。

2つの記事で、公務員として感じてきたこと、これからなる人に伝えたいことを整理して見ました。できるだけ客観的に書こうとしたことで抜け落ちたのかもしれませんが、今正直に、私の中で気持ちの上で1番辛かったのはこれです。

承認欲求ってなんなのでしょう。自分の仕事上での苦労や挑戦などを他人にどう思われたいなんて発想は幼稚なのでしょう。でも職場で色々なことを我慢している状態で、ついに自分に近い人達だと思っていた人達の悪気のない言葉に遭った時、何かが崩れるんです。もちろん数回のことではなく、何度も繰り返され、そういう役をこなし、決められた金額をもらって生きていくことを思い知らされるのが何よりも痛いです。居酒屋やスナックなんかで軽率に仕事の話をしてしまうと(またはそもそも面割れ)で他の客と喧嘩になることがあります。でもそういうのとは違う、何とも言えない絶望感があります。

多くの公務員がここで3つの道に進むんだと思う。僕みたいに投げ出して他の道を探す。全てを割り切って、減点だけしないように生きていく。どう思われるかなんて関係ない、忌み嫌われようとなんとか町を良くしてやると闘志を燃やす。3番目はもう勇者です。僕は3番目の進撃の巨人調査兵団に入れそうな人を7年間で数人見つけました。

なんか、まとまらず暗い内容になりましたけどこれは自分が公務員という立場になるまでに想像していたいわゆる公務員バッシングとは数段違うダメージなので書いとこうと思いました。「役」人とはよくいったなぁと。

前向きなことを言えず申し訳ないですが、やはりこれからなりたい人には覚悟を持って入ってほしいと思います。おこがましいですけど、自分はそれが不十分であったために負けた人間です。同じようにはなってほしくない。

最後に。

それでも、公務員がもっと働きやすく、士気を落とさずにいられる仕組みづくりができるんじゃないかなぁと思うところはあります。自分はプレーヤーではなくなりましたが、なにかその仕組みづくりに外から微力でも携わることはできないかなぁと。それが僕の今の1番の夢だとか綺麗なことは言えません((笑

しかしこれはやりたいことの1つであるのです。やっぱり腐らずに勉強する手を止めずに内側から変えていこうとする人達も見てしまったから。いつかそういう話がきちんとした形でできればと考えています。