2匹目のネズミ ― 元公務員の水面浮上 ―

[実録] 前向きに公務員を辞めるも炎上していく生活をゆるく記録します。

公務員になりたい人へ2

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き続き公務員になりたい人向けに僕が経験した公務員の現場のお話を。

あ、前回のこれす。

http://2nd-mouse.hatenablog.jp/entry/koumuin-naritai1

 

2. 働きやすさ(対内部)
ここは短めに書こ。多分職場により大きく変わるから。でも業界全体の雰囲気を無理やりまとめると、穏やかな性格の人が多いです。私の課長は決済板を投げたり怒鳴ったり、休みの夜22時過ぎに電話かけてきたりというタイプでしたが、それで近隣の自治体職員の話題になるくらいでした。それくらい温和な人が多いです。しかしこれも年代によって違いがあります。40代前半と後半の間を境界に少し雰囲気が変わるかな。体育会系な感じが若くなればなるほど薄まり、上に行けば行くほど濃ゆくなります。これは公務員とか関係ない気もしますけど。僕は87年生まれですが昔型の野球部(先輩の〇〇飲まされたやつとかいたな。。⤵︎)経験していたしどっちの雰囲気もわかるつもりではいるんです。だから辞める頃は、一番下の後輩と上の方の先輩の間に生じる世代観ギャップみたいなものを感じる場面に度々遭遇しました。もうどっちが悪いとか簡単には言えません。違うんです。育った時代も、先輩後輩の関係性の在り方も。
でもやっぱり後輩に肩入れしてしまう部分はあったかなぁ。それは単純に仕事量が今の方が多いのに給料がこれからの方が低いからです。上の世代の苦労話を聞けばそれはそれで大変だと思うこともたくさんありますが、やはり現実に抱えている業務が今の子の方が多い。歴然としている。あ、長くなるな。とりあえず性格的には優しめな方は多いですよ。((笑 女性社会のジメジメした感じとかもあまりなかったです。ただ他の公務員の現場でそれに悩んでいる知人もいるのでやはりこの辺は職場職場で違います。
で、人間関係はさておき、僕が働きやすさに大きく関係してくると思っているのが『若手が仕事を学ぶための仕組み』です。これがなかなか備わっていないです。仕事は自分で覚えるものだ、教わる前に自分の手を動かせ!ごもっともす。でも、そうやって肌で確かめながら合理性を高めていったり、理解を深めていくといった必要な経験過程と、システム化しとくことでカットできる単なる時間的コストを一緒くたにしてしまっているところがあります。7年で退いた私が言うのは生意気かもしれませんが、やはりここは全体的に不十分と言わざるを得ない。そこを意識している職員はたくさんいるんですが、徹底しないと傷口はどんどん広がるんです。時間をかけるべきところの質も量も年々厳しくなっていることは誰もが感じているはず。なのにマニュアルがないんです。マニュアル化できるはずのところも。これは体質的なものです。業務の非生産性については、辞めた今でも色々考えることがあります。働いている職員だけの問題でもありません。未だに完全な答えが出ません。なのでまた別で掘り下げたいです。ただ、新人がつまづく必要のない仕事でつまづきやすい環境であることが多いです。

3.働きやすさ(対外部)
働きにくいと思います。やはり自分は色んな職種で接客業やクレーム対応を経験しましたが「あ、自分達は嫌われることそのものも業務なんだ」と思うまでにそんなに時間は要りませんでした。「帰り道気をつけろよ」と電話がかかってきたり、土日出勤の振替で平日買い物していたのが通報されたり、学校行事の保護者の集まりで子供の前で絡まれたり。
私自身も怖い思いもしました。やはり福岡という土地柄で一般の方とはいえない住民も相手にします。密室で対応する際はやはり恐怖を押し殺して毅然な態度で臨まないといけません。また、責めることはできませんが、精神を普通の状態に保てない方が多く出入りしますので、彼らをケアしていくには経験と自分の心をメンテする能力が必要です。大人が歌いながら床に寝そべっていると思うとスクっと立ち上がって今度は鬼の形相で泣きわめきながら庁舎内を走り回る。これは日常とはいいませんが、いちいち驚くことはなくなります。危険に晒されると判断された業務、精神的に負担のあると判断された業務(死体関係なども含む)などはごく一部は手当が出ますが月2000円、3000円程度です。たぶんこの金が欲しくてそこを希望する人はいないです。
あとは議会との関係、それから国や政治的なものなどここでは長く述べませんがシガラミ祭りです。そこに反抗すること、決して太鼓持ちにならない姿勢をアイディンティティとするとすごくアドレナリンが出ますよ。観てないけどたぶん半沢直樹とかそういう感じが気取れます。傷つきますけど。でもそういうところを大事に見てくれる先輩に声をかけてもらうと本当に嬉しいです。で、そういう先輩が無愛想に結果残して周りに異端児とか言われるのを見て、憧れて、でもいつしかそういう人が公務員に見切りつけて辞めて事業始めて今では昔以上にキラキラしてて。。。みたいなね⤵︎
なんか取り留めもない感じになってしまいました。あまり前向きなことが書けなかったことはすいませんが、辞めた人間が書いているのでどうしても負けた人間の愚痴のようになりますわぁ。汗


まとめに入りたいと思います。公務員に待遇や、楽さを求めて就くのはオススメしません。そういう時代は終わったと思っています。でも次に書くのも事実です。書くのも迷いますが。
ある年齢で全てを諦め、自分から何か生み出そうともせず、後輩達に白い目で見られようと「 俺は極力仕事を抱えず5時半に帰るんだ」「飲み会連れてくから。新事業とかコンピュータとかエクセルとかそんなんは若いのが頑張っちゃれよ」と。こういう開き直れた人もクビにできない仕事であることは事実です。給料も自分達よりいいです。
そんな中、口がうまいわけでもなく黙々と自分の仕事をこなし、冗談は言えないし飲み屋も知らないけど、影でこっそり若手の仕事をチェックしてくれる人もいます。本当のことです。

一番はじめに書いたクビがないということ。
これはあなた自身が試される、あなた自身がどういうプレーヤーになるか強く意志を持つ必要があるということなのです。
僕が役所を辞めた理由はいくつかあります。総合的には自分のためにプラスの感情で辞めたつもりです。でも、やはり僕には地方公務員に必要な資質がなかったと考えています。その資質とは「自分の時間を捧げて、住民もしくはその地域に尽くせる」ということです。
先述した僕の課長なんかはパワハラで問題視されていましたが、仕事に対しては狂気的に取り組む人でした。家族サービスも、趣味もなかった。休みの日もほぼ役所で血眼になって仕事をしていた。そこまでやるのがどうか、特に彼の場合は地元愛以上に補助金を取るそのゲーム性に中毒になっていた部分がありますが、特に地元出身の職員には本当にその土地を良くしたい一心で走り続けるタイプの方がいます。そのぐらいでなければこれまで書いてきたような環境で前向きに取り組めない。もしくは開き直り堕ちる。もしくは丁度いいバランスを見つける(これが一番多いでしょう)。そのどれもが上手にできないタイプが僕みたいな感じなんだと思います。
僕は僕なりに突っ走った7年でした。年齢の割に恵まれたポジション、経験をさせてもらったとは思う。でも燃料が意地やプライドだけだった。それでは不十分なんです。

公務員は安定している、社会的信用があるというのは本当です。だから一度なるとなかなか1人の判断で辞めづらいと思います。転職に向くとは言えません。ですからこの記事を読んで公務員になろうと頑張っている方には水を差すんですが、もう一度。なぜ公務員になりたいかもう一度だけ自問してみてください。
その街のために体を動かせるか。時にそれが無意味なことに思えても。
もし「俺、(私)はこの街をこうしたい!自分達の手で絶対にこうしてやるんだ!」とか「大好きなこの街の景色や生活をずっと守りたいんだ!」そんな気持ちをお持ちなら、私はとても嬉しく、また頭が上がりません。
あなたのような人が職員にいる街の住民になりたいです。行政も少しずつ変わってきています。若い力が、意識が未来をつくります。
私は自分の周りの小さな世界に何かを残すのに精一杯な人間でした。
辞めておいて誠身勝手ですが、制度の見直しやさらなるシステム化により、これからの公務員が「街の未来に没頭できる」夢のある仕事になればいいなぁと、切に思います。